幸福度による肌への影響

3種類の幸せホルモンが、
心と身体を安定させる。

 数多くあるホルモンの中で「幸せホルモン」と呼ばれるものがあります。それが「セロトニン」「ドーパミン」「オキシトシン」の3つです。

 セロトニンには、精神を安定させる働きと満腹感を与える働きがあります。ドーパミンには、意欲を感じたり幸福感を得たりする作用があり、運動調節にも関連してきます。オキシトシンには、肌の傷を治す幹細胞の動きを活性化する働きや、ストレスや痛みを和らげたり、血圧を下げたりする効果もあります。また、分娩時に子宮を収縮させたり、授乳に関する働きもあります。

セロトニン減少は、女性ホルモン減少にも影響。
肌ダメージの回復を遅らせる原因に。

 セニトロンが不足すると精神状態が不安定になり、「何かを無性に食べたい」という状態になります。セロトニンは甘いものを食べると一時的に増加するため、甘いものを食べて精神の安定をはかろうとします。

 セロトニンは月経前に減少する傾向があり、更年期との関連性も指摘されています。セロトニンの減少は、女性ホルモンの減少にも関わっています。女性ホルモンの減少は、更年期の不眠、月経前の日中の眠気、妊娠中に起こる日中の眠気や不眠、出産後の睡眠不足などの原因となります。これらのストレス要因は、肌のダメージ状態からの回復を遅らせることがわかっています。

睡眠に関わるドーパミンと、
傷を治して「肌周期」を促すオキシトシン。

ドーパミンは、アドレナリンやノルアドレナリンのもととなる前駆体として知られています。ドーパミンが不足すると過眠傾向になり、増えると不眠傾向になります。肌状態は、生活環境や健康、精神状態と密接な関係があります。具体的には睡眠時間が7時間以下の人は、ニキビができやすいこともわかっています。つまりドーパミンによって適切な睡眠をとることは、より良い肌状態に影響すると言えます。

オキシトシンは肌の傷を治す幹細胞の動きを活性化し、「肌周期」を促すことがわかっています。オキシトシンの分泌量が増加するのは、基本的にはスキンシップをすることです。また自分の好きなことをしているときや運動・ストレッチ時にも増加します。マッサージによって脳内オキシトシンの分泌を促す効果、顔面のリズミカルなマッサージがセロトニンの活性化に有効であることも判明しています。麻布大学の研究によると、動物とのふれあいでオキシトシンの分泌が増加するという報告もあります。

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